エピローグ

 アーサーとエリザベスが気がつくと、そこは公園のベンチでした。
 目の前の池にいた白鳥の親子はすでにどこかに行ってしまっています。

 エリザベスがぼうっとしながら、アーサーを見上げ、
「ねえ。お兄ちゃん。変なゆめを見たよ。でもとっても幸せなゆめだった」
と言います。するとアーサーもほほえんで、
「いいや。きっとゆめじゃないよ。エリザベス」と言います。
「お兄ちゃんも?」
「ああ。そうさ。」

 アーサーの言葉を聞いたエリザベスはうれしそうに、
「そっかぁ。……じゃあわたしたち、お父さんとお母さんに会えたんだね」と言うと、アーサーは、
「お父さんはキツネだったけどね」と笑いました。

 2人でクスクスと笑っていると、そこへ一人の少女がやってきました。

「はい。これ。君のでしょ?」
 その少女の顔を見たアーサーとエリザベスは、思わず「春の女王?」とおどろきの声を上げます。
 少女はいぶかしげな顔で「春の女王?」と首をかしげましたが、ノートをアーサーに手わたすとアーサーのとなりにすわりました。

 そして、「それ、素敵すてきな物語ね。……私、そういうの好きよ」といって、アーサーとエリザベスにニッコリと笑いかけるのでした。
「それで次はどんな物語を書くの?」

 ベンチで話しつづける3人を、はなれた林の中から一匹のキツネがそっと見守っているのでした。

 おわり


さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。

言葉の力はとても大きいものです。
願わくば、夢と希望を文字にのせて皆さんに届けられますように。

2016年12月18日   夜野うさぎ

【追記】人物名の想起元
アーサー……アーサー王。またはコナン・ドイル。
エリザベス……エリザベス女王陛下。
チャールズ……チャールズ・ディケンズ
ヴァージニア……ヴァージニア・ウルフ
ウィリアム……ウィリアム・シェイクスピア だったりします。