小説執筆の学習ノート 1

2019年7月16日

今年の3月から、しばらく小説執筆のために本を読みました。

1冊目は『「Save the Cat の法則』、もう1冊は『ストラクチャーから書く小説再入門』です。

今回は、読んだときのノートを掲載します。より知りたいという方は是非、本の方をお買い求め下さい。


SAVE THE CATの法則

①ログライン―どんな物語?
 ・皮肉
 ・イメージが広がるか
 ・ターゲット
 ・パンチの効いたタイトル

・どんな映画に似ているか?
 ・家の中のモンスター
 ・金の羊毛(アルゴ探検隊)
 ・魔法のランプ
 ・難題に直面した平凡
 ・人生の節目
 ・バディとの友情
 ・なぜやったのか?
 ・バカの勝利
 ・組織の中で
 ・スーパーヒーロー

 

②主人公はどんな奴か
 ・主人公を描写するに的確な形容詞
 ・悪役
 ・人間だったら誰でも共感する原始的な目的・動機を持っている

 ・主人公の条件
  ・設定された状況の中で一番葛藤する
  ・感情が変化するのに一番時間がかかる
  ・楽しんでもらえる客層の幅が一番広い

 ・典型的なタイプ
  ・若くて明るいナイスガイ
  ・かわいいとなりの女の子
  ・腕白小僧、又は堅いやんちゃ坊主
  ・セクシーな女神、セクシーな男
  ・訳ありセクシー美女
  ・愛すべき優男
  ・おどけた道化師
  ・救出のために戦場に戻る負傷兵

 主人公―観客が理解できる人間
  ・身近な人をモデルに

 ・ストーリー主人公は
  ・共感できる人物
  ・学ぶことのある人物
  ・応援したくなる人物
  ・最後に勝つ価値のある人物
  ・原始的でシンプルな動機があり、その動機に納得がいく人物

 ログラインに戻り主人公を付け足す

 他の人の意見を聞く

③構成
 1.オープニングシーン(1)
 2.テーマの提示(5)
 3.セットアップ(1-10)
 4.きっかけ(12)
 5.悩みの時(12-25)
 6.第一ターニングポイント(25)
 7.サブプロット(30)
 8.お楽しみ(30-55)
 9.ミッドポイント(55)
 10.迫り来る悪い奴ら(55-75)
 11.すべてを失って(75)
 12.心の暗闇(75-85)
 13.第二ターニングポイント(85)
 14.フィナーレ(85-110)
 15.ファイナルイメージ(110)

 

・オープニングに感情移入する。
 ・一つの感情移入するアクション
 ・うすい状況説明の方法を考える。

・アイディア
 ・魔法は1回だけ、2回はだめ(ご都合主義は1回だけ)
 ・謎を起きすぎない
 ・黒人の獣医―アイディアが多すぎないように
 ・氷山が遠すぎ―テンポが遅い(危機の迫り方がゆっくり)
 ・変化の軌道―主人公の味方の変化、悪役の変化
 ・マスコミは登場させない―夢の世界が崩れる

・チェック
 ・主人公がストーリーに引きずられていないか→主人公は率先して行動しなければいけない
 ・主人公の目的はセットアップで説明されているか? 望みや目的は明確か
 ・次にすべきことを主人公が考えているか? 運命を授かるのではなく切り開いているか?
 ・主人公は行動的か? 目的達成の緊迫感・情勢から行動しなければならない。
 ・次の指示は主人公がするもの。他は主人公を頼りにする。
 ・セリフでプロットを語らせない。→文字でなく言外の意味で表す。
 ・悪い奴はひたすら悪く。→強さも能力も互角。又は悪役の方を強く描く
 ・回転、回転、回転。→プロットは前進ではなく加速。
 ・感情の色をのせる。「やあ元気?」「うん元気」―文字の無駄。
 ・セリフが薄っぺらいかのテスト。人物名を隠して読んでみる。全員が同じしゃべり方をしていないか?
 ・一歩戻って、主人公と仲間が変化しているか確認
 ・登場人物の区別がつくように、姿を工夫。
 ・原始的な動機があるか
 ・家族を救いたい、家族を守りたい、人生のパートナーを見つけたい、復讐したい、生き残りたい

 


ストラクチャー

つかみ
1幕―人物、舞台、危機
 プロット1
2幕
前半
 ピンチプロット1―敵、強い
 ミッドポイント―反転攻勢
後半
 ピンチ2
 サブプロット
3幕
 プロット2―人物はどん底に落ちる
クライマックス
エピローグ
 ・要約・テーマ・ペース
 ・別れ、継続

 

1章 フック(掴み)
  読者に疑問を抱かせる

  ・登場人物
  ・舞台設定
  ・葛藤

 注意 ・物語の始まりより前から書き始めてはいけない

  ・オープニングで人物が登場する(主人公ならなおよい)
  ・対立、摩擦、ぶつかり合いで幕を開く
  ・動きのある描写で始まる
  ・舞台設定を伝える
  ・映像イメージに読者を誘う
  ・作品全体のトーンが伝わる

 ・読者に抱かせてはいけない疑問
  ・この人物の名前は?
  ・この人は何歳?
  ・どんな外見
  ・この人物は何者
  ・ここはどこ?
  ・何年、季節は?
  ・やりとりをしている相手は誰
  ・何がしたいの?
  ・なぜこの小説を読むべきなの?

 ・よいプロローグ
  ・読者の関心をつかむ
  ・文章が本筋と離れていない

 ・背景
  ・物語に影響する分だけ書く。プロットと無関係なら書かない。
  ・プロットが必要とする背景は物語の中に上手く組み込んで描く

1幕―人物(人柄)、舞台設定、危機
 ○紹介が必要な人物
  ・主人公
  ・敵対者
  ・ヒロイン
  ・親友、助手
  ・師とあおぐ人物

 ○好きな人物、キャラと好きなところをリストアップ

 ○危機にさらされている大切なもの=思い入れ
  ・人物の登場とともにその人の大切なもの

 ○舞台設定の選び方
  ・変えられないもの
  ・変えていいもの
  ・人物のパーソナルな環境を使う

1 つかみが上手くいったらあとはアクションをスローダウンにして、人物紹介を深く行っても大丈夫
2 人物の主な特徴、動機、信念をしっかり作り込む
3 メインの舞台設定は一幕で
4 危機感を高めるために、人物に対する感情移入をはかる
5 どのシーンにも意味がある

 

 ○第1PP=25パーセント地点 →状況が一変する
  ・物語が後戻りできないほど変わる。
  ・取り巻く環境が大きく変わる。
  ・主人公が強く反応する。
  1PPまでに
  ・動機を誘発する事件   ―どこかで事件が発生し
  ・キーイベントを入れる  ―探偵が依頼を受けるなど

 

2幕―主人公に筋の通った反応をさせる
 2幕前半にピンチポイント1に遭遇

 

シーンについて
 シーン
  1シーン  ―葛藤、対立からアクション、出来事や行動を描く
  2シークエル―シーンに対するリアクション=人物の反応、テンション、出来事を振り返る

 

 シーン
  ・序盤・つかみ
  ・中盤・発展
  ・終盤・クライマックス

 シーンにはゴール、葛藤、災難が必要
  葛藤=ゴールが邪魔される
  災難=葛藤の結末

 ゴール(人物の目的)がないシーンは意味がない。

 

○シーンの目的を考える=プロットがどう進展するか
 ・要素と物事が決まる
 ・場所が決まる

 

○葛藤=言外を意味を持たせる。文字に見えない裏の感情をにおわせる。

・シーンを停滞させない方法
 ・人物を動かす
 ・裏に何かありそうだとにおわせる

・シーンの実例
 ゴール:Eは舞踏会で踊りたい
 葛藤:女性が多く、パートナーが回ってこない
 災難:Aを誘うが断られる

○ゴールの選択肢
 プロット=長期目標
 シーン=短期目標

○主人公と悪役=共通のゴール
 方法論の違い

○シーンゴール
1具体的なもの(アイテム、人など)
2無形のもの(尊敬、情報など)
3身体的な状態からの脱出(身柄の拘束など)
4精神的な状態からの脱出(心配、疑惑、恐怖)
5感情的な状態からの脱出(悲しみ、憂鬱)

○ゴール達成の方法
1情報を集める
2情報を隠す
3身を隠す
4誰かを隠す
5誰かと対決する、又は誰かを攻撃する
6物を修理したり破壊する

○シーンのゴールへの問いかけ
1そのゴールはプロットの中で意味をなすか
2そのゴールはプロットに溶け込んでいるか
3そのゴールの達成は、新たなゴール・葛藤・災難につながるか
4そのゴールは内面的なものか(幸せを感じたい)、身体的な行為を伴うか(だからみんなにほほえみかける)
5そのゴールの成否は語り手に直接影響を及ぼすか?

 

○シーンの葛藤
 すんなりゴールさせない
 作品の中に大中小の葛藤を設定する

・ゴールと無関係の葛藤を設定しない
・前の出来事と因果関係があるか
・主人公のゴールをストレートに邪魔をするもの
・登場人物に目を向け、性格だけでなくて、なぜそんなことをするのか、目的は何か、出来事にどう反応するかを想像する。
・人物に欠点を作る

○会話の中での葛藤
・ポイントをずらさない。……プロットに影響を及ぼす内容にすること。
・会話も序盤、中盤、終盤の軌跡を作る。徐々にヒートアップさせて頂点から解決に向かわせる。
・人物の変化を維持する。
・テンションに強弱をつける。ケンカにしたり、静かに水面下に葛藤させたりする。
・言葉の裏の意味を利用する。
・アクションで効果的に表現する。夫婦げんかの会話を書く代わりに、妻が夫を買ったばかりのロブスターでひっぱたくなど。

・議論のを無闇に長引かせない。
・言葉を言いっ放しにさせない。語り手のリアクションを描写する。
・あっさり解決すると不自然。
・性格に合わない争い方をさせない。嘘を嫌う人物は正々堂々、いじめっ子なら隠れて攻撃など。

○シーンの葛藤の選択肢
1真っ向からの対立……他の人物や天候が主人公を邪魔する
2内面で起きる摩擦……ゴールに対する考え方を変えるようなことに気がつく
3不利な状況……ケーキを焼きたいのに小麦粉がないなど
4能動的に表現される対立……議論、殴り合い
5受動的に表現される対立……無視される、閉じ込められる、避けられるなど

○葛藤の例
・ケンカ、殴り合い
・言い争い、口げんか
・物理的な障害(天候、道路封鎖、身体負傷など
・精神的な障害(恐怖、記憶喪失など
・物資の欠如
・行為をしないことによる攻撃(わざと、無意識で
・間接的な妨害(他の人が遠回しに

 

○葛藤を考えるときに
1人物は妨害されていることを意識しているか
2その葛藤は人物のゴールとぶつかるようにできているか
3敵対者が対抗する理由はストーリーとつじつまが合うか
4その葛藤は、論理的な結果「解決」「災難」につながっているか
5その葛藤は、主人公のゴール達成を直接的に妨害したり、脅かしたりしているか

 

○シーンの災難
 災難はシーンのオチ。災難としているが、これには大小がある。

・災難が甘くならないように。
・上手くいったと思いきや、後で不都合が発覚
・ゴールの部分的な妨害(デートにOKもらったけど、ちょっとお茶飲むだけねといわれるなど
・うわべだけの勝利(成功したけど、後になって成功しない方がよかった

 

○シーンの災難の選択
1ゴールへの道が直接的に妨害……情報が欲しいが相手がくれない
2ゴールへの道が間接的に妨害……出世コースを外される
3ゴールへの道が部分的に妨害……必要な物が部分的にしか入らない
4成功したかに見えたが、実は失敗だったことがわかる……実は害だった


・死
・身体が傷つく
・心が傷つく
・良くない知らせを受け取る
・人物自らミスを犯す
・人物自身に危険が及ぶ
・誰か他の人に危険が及ぶ

○シーンの災難を考えるときに
1シーンのゴール設定時に作った問への答えになっているか
2シーンにうまく溶け込んでいるか
3災難の程度は軽すぎないか
4災難が大げさになっていないか
5思いきやの展開後にどんでん返しはアルか
6災難を経て人物が新たなゴールに向かっているか

 

○シークエル
・出来事に対するリアクション
・過去を顧みたり、落ち着いて会話したり内面の変化を表現
・心理描写、葛藤ではなく緊張(テンション)

 

シークエルの3つのブロック
1リアクション……感情に訴える
2ジレンマ……知識に訴える。じゃあどうしよう。どうすれば。
3決断……作戦タイム。戦略をねる

 

1リアクション

・高揚感
・激情
・怒り
・困惑
・落胆
・パニック
・恥
・後悔
・ショック

○表現方法
1地の文
2心の声・モノローグ
3ドラマタイズ。体のしぐさ
4トーン。その場の舞台設定など

○リアクションを考えるときに
1直前の災難に対して反応しているか
2直前の災難の文脈と合っているか
3人物の性格に合っているか
4描写の分量に過不足はないか
5語りや地の文、アクション、会話などを使って強く表現できているか
6状況説明をしようとして、すでに読者が知っている情報を繰り返していないか

 

2ジレンマ
・リアリティが問われる
・論理的な思考で、読者が納得できる筋道を選ぶ
・読者にも悩んでもらう

 

ジレンマの3段階
1振り返り―災難の原因を考える
2分析―命題をはっきりさせる
3計画

 

○ジレンマの選択肢
・文脈の中で示唆する―明文化しない。
・はっきり書き表す

○ジレンマの表現方法
・要約する
・ドラマタイズする。人間同士のやりとりや会話、試行錯誤を描く

○ジレンマを考えるときに
・前シーンの災難に合う内容か
・どうしようなどと曖昧に書くだけでなく、具体的な言葉で表現しているか
・例、または文脈からジレンマを読み取って理解できるか
・プロット上での重要度に合った分量が割かれているか
・振り返りの記述にくどさはないか

 

3決断
ジレンマを経て決断するので、ジレンマと因果関係を持たせる。

・長期のゴールと短期の決断を考える。
・ストレートな決断か、遠回りな決断か……デートに誘うぞ。or彼女の行動パターンを観察するぞ

・人物の決断はきちんと書けるように考えておく。ただ実際に書くかは別問題で文脈から読み取れる場合も。
はっきり書くかどうかのガイドライン
・同じ事の繰り返し、あるいは読者に媚びた書き方になるかどうか。yesなら書かなくていい
・決断を下す行為そのものがゴールと同じくらい重要ならストレートに書く。(決断によって人物が大きな転機を迎える
・次のシーンのゴールとのつなぎを強くしたいか。yesならストレートに書く。複数の視点を交互に書く場合など

 

○シークエルの決断の選択肢
1行動する
2行動しない

○決断を考えるときに
・その決断はジレンマから自然に生まれているか
・その決断は強いゴールを生み出すか
・長期にわたるジレンマに対して、小さな決断が解決への一歩になっているか
・決断で物事が安易に解決してしまっていないか? 誤った決断をしたり、ジレンマが解決したせいで新たな問題が生まれたりして、新たな展開ができているか?
・行動しない決断をさせるなら、それがプロット上論理的であり、重要なステップになっているか?葛藤を進展させているか
・その決断は、はっきり書き表すほど重要か
・決断で書いている内容がジレンマ、もしくは新たなゴールと重複していないか

 

○シーン構成のバリエーション
○シーンのゴールのバリエーション
 ・語り手以外の人物のゴールに向けてシーンが進む
 ・シーンの途中でゴールが見つかる
 ・ゴールをはっきり書かないでほのめかす
○シーンの葛藤のバリエーション
 ・シーンのゴールを提示せずにいきなり葛藤ではじめる
 ・葛藤を控えめに書き表す
○シーンの災難のバリエーション
 ・災難をはっきり書かない
○シーン全体のバリエーション
 ・シーン部分を丸ごと省略して要約する
 ・シーンに別のシーンを割り込ませる
○シーンのように見えるがそうでないもの
 ・通過点―誰とも敵対せずに葛藤しない
 ・ハプニング―シーンほどドラマにせずに軽く書く。美女との出会いとか。
○シークリエルのバリエーション
○リアクションのバリエーション
 ・出来事や行動とほぼ同時進行でリアクションを書いていく
 ・出来事や行動が起きた後、しばらく間を開けてリアクションを書く
 ・リアクションに回想を入れる
○ジレンマと決断のバリエーション
 ・決断して行動を始めるが行き詰まる
 ・シークリエルを一瞬で澄ませる場合もある。
 ・シークリエルは一文で終わる場合もあれば、複数の章に別れる場合もある
 ・リアクション、ジレンマ、決断のバランスはアンバランスで良い
 ・リアクション、ジレンマ決断は順番を変えてよい
 ・シークリエル部分に次のシーンを割り込ませてもよい

○文の構成
 刺激―反応のユニットで書く

○刺激
 ・外から受ける刺激。リアクションを起こす原因
○反応
 ・刺激に対するリアクション、原因に対する結果
 ・順番
  1感情や思考
  2アクション
  3発話

○刺激と反応
 刺激
  ・地の文―語り手が遭遇する出来事や状況
  ・心の声―語り手が問題について考えたり、アイディアを出そうとするときの思考
  ・アクション―語り手以外の人物がする動作や行動
  ・セリフ―語り手以外の人物が話す言葉
 反応
  ・心の声―語り手の内面の動きを表現する言葉
  ・情動―語り手の身体に起きる不随意反応(鳥肌が立つなど
  ・アクション―語り手が行う動作や行動。
  ・会話―語り手が誰かに対して返す言葉

・情報を出す順番を間違えないこと。

○文章の注意
・わかりきっていることを書かない。グラスを取ろうと手を伸ばしたと書く必要は無い。手を伸ばすのは当たり前
・説明したい気持ちを抑える
・同じことを繰り返さない
・受動的ではなく、能動的に
・陳腐な表現を削除する
・曖昧な書き方をしない
・無意味に美を追究しない。ストーリーが進んでないなら削除する
・おおげさな表現にしない
・句読点をチェックする
・修飾語句をつけすぎない


ちなみに学習ノート 2 の予定はまだない。※今はシド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』に挑戦中。

小説

Posted by usagi-B (管理人)