ウェブ小説を自分のサイトで公開する際に、検討すべきこと
どのツールを使えば、自分のやりたいことを実現できるのか。
私がweb小説の公開でWordPressを使用している理由はこれに尽きます。
そもそも「小説家になろう」「カクヨム」等の小説投稿サイトにユーザー登録をして小説の投稿をしているのに、何故さらに自分のサイトを立ち上げるに至ったのかというと、その理由は2つあります。
1つは好きなように小説を書いて公開する場所が欲しかったということ。
2つにはユーザー間のトラブルに嫌気がさしたということ。
まず1つめの理由ですが、投稿サイトには投稿サイトの規則があり、ガイドラインがあります。これに抵触すると警告、強制退会となり、バックアップがなかった時点で書いてきた小説はロストします。
多くの場合、規則・ガイドラインともに運用に柔軟性を持たせるために緩く書かれており、判断基準は運営の判断次第となり、これが不安になったのです。(画像が投稿できないとか制限もあります)
2つめの理由ですが、投稿サイトではランキング制が導入され、その上位になればアクセス数、評価がうなぎ登りとなり、その先には書籍化が見えてきます。
そのため、複数アカウントや評価を投入する集団がいたり、また不正行為の取り締まりを運営に任せておけない人たちによる糾弾エッセイなど、本来の小説やエッセイからかけ離れた作品の横行が見られ、お気に入りつながりした人へのコメント投稿から、ユーザートラブルに巻き込まれることもあります。
そうしたことから、自分の小説を公開するサイトが欲しくなったわけですね。
もっとも、アクセス数や検索ヒット数を重視するのであれば、上述の投稿サイトの方が優位で、さらに個人のサイトを立ち上げて小説を公開するメリットはほとんどありません。
多くの投稿サイトが商業利用を禁じているので、個人で電子出版をしている方の場合は、そのPRツールとして個人サイトを開設するというパターンはありです。これもアクセス数が少なければ、効果を見込むことは難しいと思いますが……。
こちらの記事も参考に。
「WordPressでウェブ小説を作る前に考えよう メリット&デメリット」(石田朋子さん)- NOVELLA 文芸
もっとも私の場合、上述2つの理由から、自分のホームとなるべきサイトが欲しかっただけなので、電子出版も予定がなければ、アクセス数も重視していません。
つまり、この「うさぎの森」は完全に個人の趣味なわけです。
小説サイトに求められるもの
個人で小説サイトを開設する際、当然のことながら、既存の小説投稿サイトを意識するわけで、必要となるのは次の要件でしょう。
1.作者目線から
・投稿が簡単であること。長編が多いので。
・ルビをふることができる。
・PC、タブレット、携帯用のサイトが容易に作れること。
・複数作品の管理ができること。
(忘れたけど、他にもあるかも)
2.読者目線から
・読みやすいデザインであること。集中できること。
・速く読み込めること。
・ユーザー側に立ったナビゲーションであること(=目的のページにすぐに行けること)
・閲覧者のほとんどはPCか、スマホ、タブレットを利用。
以上が求められる機能となりますが、実際にweb上で小説サイトを展開するには、やり方として次の3パターンがあります。
1.HTML型
・1ページずつ手作りで、ナビゲーションも1つずつ設定する。
・凝った作りのサイトができる。ルビも可。
・読み込みスピードが早い。
・手元で作ったデータをサーバーにアップするやり方なので、自然とバックアップが残る。
・レンタルサーバーか、自前でwebサーバーを立ち上げないといけない。
・ページが増えると作るのが大変。
・追加挿入などの管理が大変。(リンク切れやナビゲーション設定)
・PC用、タブレット用、携帯用の3種類のサイトを作り、管理しなければならない。※もう携帯用は不要かもしれないけど。
2.ブログ型
・簡単に投稿できる。
・無料で、気軽に始められる。
・pc用、タブレット用、携帯用などというプラットフォームの違いを気にしないで済む。
・レンタルブログの場合、他の人とつながりやすい。一方で、ユーザー間の確執が発生する場合がある。
・複数作品がある場合、目的のページを探しにくい。目次ページをどうするのか検討が必要。
・デザインに限りがある。
・ルビはふられないので( )で処理しないといけない。
・バックアップがサービスによってはできない。
3.CMS型(WordPressなど)
・凝った作りのサイトができる。ルビもふられる。
・簡単に投稿できる。
・(やり方によって)複数作品の掲載が簡単にできる。
・(やり方によって)目的のページにアクセスしやすい。
・pc用、タブレット用、携帯用などというプラットフォームの違いを気にしないで済む。
・レンタルサーバーか、個人でwebサーバーの立ち上げが必要。
・それなりに知識が必要。
・バックアップが必要。
(人によっては、このほかSEO対策の検討も必要かも)
以上、ざっくりと整理してみたわけですが、これらの特徴を見比べた上で選択をしたのがWordPressだったのです。
ちなみにCMS型には、他にもMovable Typeなどがあるようですが、そちらは調べたことがありません。興味がある方はそちらも検討してみて下さい。
これも参考に。
「CMSとHTMLの違いとは | 最適なWebサイト構築のために知っておきたいこと」(ボクシルマガジン編集部)
私のサイト、アクセス数はお察しの通りですが、そちらは既存の小説投稿サイト(小説家になろう、カクヨムなど)でまかなえるので問題はありません。
たまにサイトをいじると、部屋の模様替えをしているような気分になって、実に気ままなwebサイトライフを楽しんでいます。
ちなみにこんなwordpressテーマもあるようです。私は使っていませんが。
「WEB小説家の為のWordPressテーマ『綴』公開」(ホームページ制作サービス ねこふらい)
ともあれ、これからwebで小説公開をしようと考えている人は、冒頭に書いたとおり、
どのツールを使えば、自分のやりたいことを実現できるのか。
これをよく考えてみてはどうでしょうか。
それでは良いwebライフを!
ディスカッション
コメント一覧
1番目の理由について、少し補足。
ここで不安に思ったのはレイティングです。性的、または暴力、残虐表現の線引きが曖昧な点ですね。
たとえば次の表現はR18、または「性的表現有り」タグに該当するのかどうか。
「わざとグラスを傾けると、赤いワインが胸に、そして桜色の頂きに伝わり、ぽたりぽたりと甘露のようにこぼれ落ちた。さらに胸の間から下へ、彼がことのほか好きだというお腹をつたわって、足の付け根の草むらに染みこんでいく。
彼の視線が、ワインの跡をなぞるように見ているのを肌で感じる。ああ。身体の奥が熱くなっていく」
(似たような行為は、ハンニバルの最後の所で、レクター博士に対してクラリス・スターリングがやっていましたよね。ここまでエロティックじゃないかもしれないけど)
残虐な方のR18の場合、腕を切り落としたらR18なのか、血がブワッとはじけ飛んだらR18なのか。刎られた首がポーンと飛んだら、傷口からはらわたが滑り落ちたら、とか考えると微妙なんですよね。
運営の立場に立ってみると、ケースバイケースとしか言いようがないわけで、いざそうなったときにイエローカード累積でレッドカード(強制退会)となると、ショックが大きいと思うのです。