15.再会

セカンダリを脱出し河を超えた俺たちは、追っ手がかかる前にと国境に急いだ。関所を避けて、森の上をヒポグリフのパヤールで飛び越えるという手段をつかい、無事に隣国ジルドニア王国に入った。
ミナの情報では、国同士の仲は良くも悪 ...
14.一人ぼっちになった日

見慣れたお城の私の部屋。
午後の礼儀作法の講義が終わり、護衛兼侍女のイアンテにいれてもらった紅茶を飲みながら、窓の外を眺めていた。
ここからはお城の庭園だけでなく、騎士たちの訓練場も見える。イアンテに言わせると、 ...
13 船渡し場での騒動

お互いに照れて気恥ずかしい朝を迎え、食事を済ませてからチェックアウトをして、真っ先に俺たちは川渡の船乗り場へとやってきた。
大河を渡るだけあって、かなり大きい船で、とりあえず乗船券を買っておい ...
12 夫婦の夜

〝フルール〟は、シックな雰囲気のお洒落なレストランだった。
「予約はしていないんだが、席は空いているだろうか」
白と黒の制服を着た壮年の店員が、恭しく一礼し、
「はい。本日はまだ余裕がご ...
11 指輪とペンダント

2人だけの結婚式だったけれど、教会を出たところで、ミナの方から俺の左腕に腕を絡めてきた。
「折角ですから……」というミナに微笑みかける。
彼女の柔らかい身体を感じる。おお! これがリア充か ...
10 教会に行く

隣を歩くミナの様子を横目で確認する。
さすがは元王女というべきか。こうして歩いているだけでも、どこか気品があるように思う。
「ミナ。ちょっといいかな?」
「はい。なんでしょうか」
「お揃いの腕輪 ...
9 魔術師協会

杖の看板の建物は、白いモルタル作りの四角い建物だった。
ダークブラウンの扉を開けると、中は天窓から光が差し込み、さらに魔導ランプに照らされたホールになっている。床は板張りになっていて、壁には赤い絨毯が掛けられていた。
8 セカンダリ

スレイプニルなどに乗っていると目立って仕方がない。そんな理由から、途中から街道ではなく草原の真ん中を突っ切るように走ったが、特に何事もなく大河の手前にあるセカンダリの街が見えてきた。
騒ぎにならないようにスレプニルを帰 ...
7 出発

こんなにスタイルが良く美人の女性。ないがしろにするつもりもないし、ぶっちゃけ俺、童貞だし、インドアの俺が女性に強く出られるわけもない。
ただ無意識下では、俺の従属になっているから、結婚となっても力 ...
6 血の衝動

「じゃあ悪いけど、君を解放するのはサルマリドに行ってからにさせてくれ。向こうに着いたら、君の意向を聞いて、希望する教会へと連れて行ってあげる」
「……いいのですか? 私は助かりますけど」
...