第1章

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 セカンダリを脱出し河を超えた俺たちは、追っ手がかかる前にと国境に急いだ。関所を避けて、森の上をヒポグリフのパヤールで飛び越えるという手段をつかい、無事に隣国ジルドニア王国に入った。

 ミナの情報では、国同士の仲は良くも悪 ...

第1章

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 見慣れたお城の私の部屋。
 午後の礼儀作法の講義が終わり、護衛兼侍女のイアンテにいれてもらった紅茶を飲みながら、窓の外を眺めていた。
 ここからはお城の庭園だけでなく、騎士たちの訓練場も見える。イアンテに言わせると、 ...

第1章

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 お互いに照れて気恥ずかしい朝を迎え、食事を済ませてからチェックアウトをして、真っ先に俺たちは川渡の船乗り場へとやってきた。

 大河を渡るだけあって、かなり大きい船で、とりあえず乗船券を買っておい ...

第1章

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 〝フルール〟は、シックな雰囲気のお洒落なレストランだった。

「予約はしていないんだが、席は空いているだろうか」
 白と黒の制服を着た壮年の店員が、恭しく一礼し、
「はい。本日はまだ余裕がご ...

第1章

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 2人だけの結婚式だったけれど、教会を出たところで、ミナの方から俺の左腕に腕を絡めてきた。
「折角ですから……」というミナに微笑みかける。
 彼女の柔らかい身体を感じる。おお! これがリア充か ...

第1章

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 隣を歩くミナの様子を横目で確認する。
 さすがは元王女というべきか。こうして歩いているだけでも、どこか気品があるように思う。

「ミナ。ちょっといいかな?」
「はい。なんでしょうか」
「お揃いの腕輪 ...

第1章

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 杖の看板の建物は、白いモルタル作りの四角い建物だった。

 ダークブラウンの扉を開けると、中は天窓から光が差し込み、さらに魔導ランプに照らされたホールになっている。床は板張りになっていて、壁には赤い絨毯が掛けられていた。

第1章

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 スレイプニルなどに乗っていると目立って仕方がない。そんな理由から、途中から街道ではなく草原の真ん中を突っ切るように走ったが、特に何事もなく大河の手前にあるセカンダリの街が見えてきた。

 騒ぎにならないようにスレプニルを帰 ...

第1章

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 こんなにスタイルが良く美人の女性。ないがしろにするつもりもないし、ぶっちゃけ俺、童貞だし、インドアの俺が女性に強く出られるわけもない。
 ただ無意識下では、俺の従属になっているから、結婚となっても力 ...

第1章

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「じゃあ悪いけど、君を解放するのはサルマリドに行ってからにさせてくれ。向こうに着いたら、君の意向を聞いて、希望する教会へと連れて行ってあげる」
「……いいのですか? 私は助かりますけど」

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